「ピアノを習う」といったら、あの大きなピアノを想像しませんか?それとも自宅にあるピアノを想像しますか?実はピアノにも種類があって、それぞれに違いと特徴、また選び方があります。ここではそれらを解説していきますので、ぜひ自分に合ったピアノを見つけて下さい!
アップライト、電子ピアノ、グランドピアノの違いと選び方
基本的に据置型のピアノとして、アップライトピアノ、電子ピアノ、グランドピアノの3種類があります(持ち運びできるものはキーボードと呼ばれます)。
1.音の出し方についての違い
- アップライトピアノ
-
出典:島村楽器
一般的にアコースティックピアノ(生ピアノ)と言われるもの。
鍵盤を弾く力がピアノ内部の複雑な機構を通ってハンマーに伝わり、それが弦を叩いて音が出ます。その振動が響板と呼ばれる木の板に伝わって増幅させ、独特な響きを生み出すのです。
ハンマーが叩く弦を縦に張ることでコンパクトにしています。
- 電子ピアノ
-
出典:島村楽器
デジタルピアノと言われるもの。
鍵盤を押すと内部のセンサーが感知し、その情報を基にアコースティックピアノから録音された音をスピーカーから出します。
ヘッドホンに接続することで周りへの音の影響を気にせず練習することができ、録音再生や自動伴奏などデジタルだからこその機能も充実しています。
- グランドピアノ
-
出典:島村楽器
アップライトピアノ同様、一般的にアコースティックピアノ(生ピアノ)と言われます。
音の出るシステムはアップライトピアノと同じですが、ハンマーが叩く弦が横に張ってあり、ピアノ本来の形となっています。
弦を叩いたハンマーがアップライトピアノはバネで戻るのに対し、グランドピアノは自重で戻るため素早い連打や繊細な表現が可能。
2.決め方
音の出し方の違いを踏まえると、
本格的に習いたい、ずっと続けていきたい → アコースティックピアノ
練習時間が夜間、楽しく趣味で弾きたい → 電子ピアノ
と考えることができます。
また防音設備や床下補強の有無、設置場所の確保といった外的要因からも検討することができます。
どちらにしても、購入する時には必ず試し弾きをしてください。特に生ピアノは1台1台に必ず個性があるので、鍵盤の感触や音の鳴りを確かめましょう。
また値段にはかなりの差がありますが、アコースティックは手入れ次第で一生もの、電子ピアノは10~15年で寿命がきます。その場の値段だけで選ばないようにしてくださいね。
アップライトの選び方~ピアノの寿命は半永久的!
ここでは、音の違いからオススメのピアノメーカーをご紹介します。ただ、あくまでも私の個人的な印象を基にした選び方なので、店頭などで必ず試し弾きをしてくださいね。
- 高い音をクリアに出したい
- 明るい雰囲気の曲を中心に弾けるようになりたいなら、ヤマハのピアノがオススメ。ミキやカイザー、エテルナというメーカーもヤマハ製のピアノです。機種によってかなり違いはあるものの、鍵盤のタッチも軽快です。
- 低い音をしっかり出したい
- 重厚感のある曲を中心に弾けるようになりたいなら、カワイのピアノを検討してみてください。メルヘンやエンペラーなどのメーカーもカワイ製です。タッチは少ししっかりした印象ですが、小型機種はそこまで重厚感はありません。
- どちらもバランスよく出したい
- ディアパソンピアノやボストンピアノがおすすめです。どちらも国産メーカーで、高音・低音ともに伸びの良い音が鳴ります。
購入時には中古も検討すると思います。アコースティックピアノはそもそも長く使うことを前提として作られているので、中古だから品質が悪いということはありません。
内部のハンマーや弦は消耗品ですが、良い環境できちんと調律されていれば、半永久的という人もいるほどです。
ただし調律の具合や欠陥の有無は、弾いてみないとわかりません。試弾することで、「鳴りや響きが良くない」といった欠陥を見つけることができるのです。
電子ピアノの選び方~絶対はずせないポイントを紹介
電子ピアノを買おうとしている場合、絶対にはずせないポイントがあります。購入する前に、下記を改めて確認してくださいね。
- ①鍵盤の数が88あること
- アコースティックピアノは黒鍵・白鍵あわせて88ありますが、電子ピアノはそれよりも鍵盤の数が少ないコンパクトなものもあります。しかしピアノ曲はアコースティックピアノに合わせて作られているため、88鍵ないと弾けない曲が出てきてしまいます。
- ②ペダルが3つあること
- ピアノが上達してくると、手元よりもむしろペダリングが演奏の良し悪しを決めると言われるほど重要な3本ペダル。組み立て式電子ピアノの中にはフットペダルが1本しかないものがありますが、必ず3本ペダルのものにしましょう。
- ③同時発音数が64音以上
- 同時発音数とは、鍵盤を叩いた時に同時に鳴らせる音(もしくはその余韻)の数のこと。この音数が多いほど、音が不自然に途切れることがなくなるため、自然でなめらかな演奏が可能になります。
- ④同音連打で音切れを確認
- 試弾の際には、同じ音を素早く連打した時にどの程度まで音切れせずに反応できるか確認しましょう。連打性能が高い方が、アコースティックピアノの再現率が高いと言えます。
- ⑤上達したいなら木製鍵盤を選ぶ
- 電子ピアノの鍵盤は、基本的には樹脂鍵盤です。ですが、これだとアコースティックピアノを弾いた時にタッチに違和感を覚えることに。鍵盤が木製かつ本格的であれば、タッチ感はアコースティックに近くなります。
これらのほか、電子ピアノならではの機能として録音や音楽自動再生があると、練習の時に活用できます。